皆さんこんにちは! カンカン帽です👒
本日は行動経済学について少しだけ触れたいと思います。
人間は不思議な生き物です。計算ができても「いま1万円貰う」か、それとも「1年後に1万3千貰う」かを選べたら「いま貰う」という人がほとんどです。1年後には3千円も多く貰えることが分かっているのにです。
合理的に考えれば、1年後に貰ったほうが正解です。
しかしこういった非合理的な行動をする。それが人間です。この分野が新しく作られ掘り起こしていった学問が行動経済学です。
この不思議な行動は「現在バイアス」といいます。将来のことよりも目の前の利益を過大評価するためです。
ほかにはどんなものがあるのでしょうか?
服を買いに行くと1,980円という値段を見たことがあると思います。2,000円というキリのいい値段設定を見るより、20円安い1,980円とするだけでわれわれ消費者の財布の紐はゆるんでしまう。これは「端数価格」と呼ばれます。
行列や集団ができていたら、同じ行動をしたくなるのも行動経済学(バンドワゴン効果)ですし、服やバッグなど人とは違ったモノを使いたいという行動をとるのも行動経済学(スノッブ効果)から説明ができます。
このように行動経済学は身近に潜んでいますので、挙げていったら枚挙にいとまがありません。でももう少しだけ、われわれの身近に潜む、そして知っておいたほうがよい行動経済学をいくつか挙げておきましょう。お付き合いくださいませ。
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CMや広告などでは、その商品とは無関係な人が宣伝していますよね。たとえば、風邪にはこの薬! などとタレントが宣伝しています。タレントは医師でも薬剤師でもないので、本来説得力はないわけです。でもわれわれは何故か乗せられてしまう。これは「ハロー効果」といいます。商品のイメージが紹介するタレントに引っ張られるのですね。
同じくCMや広告からです。洗濯物を部屋干ししておくと生乾きの臭いが……。人間はメリットを提示されるより、デメリットを提示されたほうが心に残ります。人には損失を嫌う「損失回避性」が備わっているからです。だから宣伝ではコレを使わないとこんなデメリットがあることを強調するのですね。

ハロー効果のように引っ張られてしまう例を挙げると「アンカリング効果」があります。これは直前に見た数字と比較してしまうのです。20,000円と書かれた値札に取り消し線がひかれており16,800円と。似た光景はよく見かけると思います。どうしても20,000円と比べてしまうのです。だから安いと感じてしまう。手を出しそうになる。
このアンカリング効果に似ていますが、人間は面白いことに中庸を好みます。Aの品5,000円、Bの品3,000円、Cの品2,000円だったとすると多くの人はBを選びます。これは「極端の回避効果」と呼ばれており、なにかを選ぶとき、極端を避けて中庸を求める傾向にあるからです。うなぎ屋さんなんかが「松・竹・梅」として値段設定してますよね。あれがそうです。竹を選んでしまうでしょう?
〇ヒューリスティック
これについても少し述べておきたいところです。
私はよくスーパーにお刺身を買いに行くのですが、お刺身コーナーで10分も悩みません。せいぜい10秒くらい見てこれでいいかと買い物かごに入れます。
熟考するのではなく、日常的に直感で選んでしまうプロセスをヒューリスティックといいます。お刺身コーナーでパッと決めてササっとかごに入れるのも、朝何を着ていくかパッと決めるのも、混雑していなさそうな道を熟考せず選べるのもこのヒューリスティックのおかげです。人間が毎回立ち止まって熟考することなく生活できているのは、この能力が備わっているからです。
しかしこれを逆手に取った商売も存在します。ファストフード店などです。席についてじっくりメニューを見て好きなものを注文する、という店舗形式ではありません。カウンターで後ろに人が並ぶと、さっさと注文を決めなければという切迫感が生じる。店内にはお得となるセットがでかでかと表示されている。じゃあまあこれでいっか、という流れになる。
ヒューリスティックが利用されてしまっているのです。
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これら見てきたように、人間は純粋に経済学上の損得で動いているわけではないのですね。行動経済学が作用している場を十分に検討し、過剰な出費をしないよう気を付けたいものです。本来まだまだあります。ただ書きすぎても混乱させてしまうので今回はこの辺で。まあ私も混乱してしまいますし……。
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【参考文献】
『池上彰の行動経済学入門』監修 池上彰(Gakken)
『影響力の武器』[第3版]ロバート・B・チャルディーニ 著 社会行動研究会 訳(誠信書房)
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