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趣味・日記
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昨日に戻れたら、まずラーメンを食べる
— あるいは、後悔という名の趣味について —

みなさまごきげんよう。
就労継続支援B型事業所かなうラボ利用者のmayoです。

「昨日に戻れたら何をする?」

そんな問いを聞いたとき、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
感動的な再会でしょうか。
大切な人への告白でしょうか。
それとも宝くじの当選番号をメモしておくことでしょうか。
人それぞれだと思いますが、私の場合、真っ先に浮かぶのは、

「昨日の夜に食べたラーメンを、もう一杯食べる」

です。
スケールが小さすぎる気もしますが、これが正直なところです。
よく考えてみると、「昨日に戻る」というのは地味にすごい能力です。
タイムマシンといえば、恐竜時代や戦国時代、あるいは未来都市へ飛ぶものと相場が決まっています。
それをあえて昨日に使う。
この渋さといったら、もはや芸術の域ではないでしょうか。
「昨日の朝、傘を持って出ればよかった」と悔やみながら雨に濡れている人間にとって、昨日は未来よりも重要な時間軸だったりするのです。

さて、もし本当に昨日へ戻れるとしたら。

私はまず、昼食をもっとちゃんと食べます。
昨日の私はコンビニのサンドイッチを立ったまま三分で食べ、「まあいいか」と済ませていました。

よくありません。
全然よくありません。

昨日に戻った私は、きちんと席に座り、ゆっくり味わい、食後には小さなデザートまで楽しむはずです。

未来の自分から、
「頼むから、ちゃんと食べてくれ」

と念を送られているわけですから、断る理由がありません。
次に、あの返信を送ります。
友人から来ていたメッセージです。

「あとで返そう」

と思ったまま、そのまま忘れてしまったやつです。
私は以前から思っているのですが、「あとで」というのは人類最大級の幻想です。
もちろん科学的には証明されていません。
しかし体感的には、かなり事実に近い気がします。

「あとで」は来そうで来ない。

気づけば数時間が過ぎ、数日が過ぎ、ときには一週間が過ぎています。

たった五文字の、
「元気だよー!」

が送れなかっただけなのに。
たったそれだけのことが、なぜ昨日の私はできなかったのでしょう。
さらに言えば、一回の返信忘れは大したことがありません。
けれど、その一回を積み重ねた先に、いつの間にか連絡を取らなくなった人がいるのかもしれません。
小さな後悔というのは、案外そういうところに潜んでいます。
それから、これが一番大事かもしれませんが、私はもう少し早く寝ます。
昨日の夜、私は動画を見ていました。

「あと一本だけ」

そう思いながら。
ところが気づけば深夜です。
あの言葉は信用してはいけません。
「あと一本だけ」は、「あと十本のうちの最初の一本」である可能性を常に秘めています。
もっとも、これは私の意思が弱いだけではないのかもしれません。
世の中には、「あと一本見たくなる仕組み」が実によくできています。
次の動画は自動で始まり、面白そうなおすすめが次々と並びます。

気づけば時間が消えている。

現代人の多くが経験したことのある現象ではないでしょうか。
だから昨日に戻れたなら、十一時には毅然とした態度でスマホを置きます。
歯を磨いて、布団へ入ります。
翌朝の自分がどれほど感謝することか。

こうして並べてみると、私が昨日に戻ってやり直したいことは、

ラーメンを食べること。

傘を持つこと。

昼食をちゃんと食べること。

返信すること。

少し早く寝ること。

要するに、どれも「普通の生活」です。
タイムトラベルという壮大な奇跡を使った結果が、「普通の生活を送る」という結論になるのは少し切ない気もします。
でも逆に言えば、それだけ普通の日々の中に取りこぼしているものがある、ということなのかもしれません。
人間というのは不思議な生き物です。
手の届く幸せほど後回しにしてしまいます。

もっと丁寧に食べればよかった。
もっと早く寝ればよかった。
もっと早く返事をすればよかった。

そんなことを思うのは、たいてい一日が終わったあとです。

布団の中で今日を振り返りながら、

「惜しいことをしたな」

とぼんやり考える。
そして翌日もまた似たような失敗を繰り返す。
その繰り返しは、人間らしさでもあり、少し愛おしい欠点でもあります。

もちろん昨日には戻れません。

けれど、昨日の後悔を今日が引き取ることはできます。

この文章を読み終えたあと、返していないメッセージが一件あるなら返してみる。
今日は少しだけ早く寝てみる。
昼ごはんを五分だけゆっくり食べてみる。

そんな小さな修正なら、タイムマシンがなくてもできるはずです。
……などと、きれいにまとめてみましたが。

正直に言うと、今夜も私はたぶん動画を見ます。

そしてきっと、

「あと一本だけ」

と言います。

昨日に戻れるタイムマシンが完成するまでは、後悔製造機として本日も元気に稼働予定です。

明日の私へ。

今日の失敗はちゃんと引き継ぎます。

——というか、あなたもどうせ引き継がないんでしょう?

知ってます。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事で何か感じることがあれば幸いです。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。