
こんにちは、かなうラボ利用者の薄墨です
今日は大ゴッホ展に行ってきた時の話をしたいと思います
大ゴッホ展とは
上野の森美術館にて行われている、フィンセント・ファン・ゴッホの人生を辿る大きな展示会です。
二期構成になっており、2026年5月29日(金)から2026年8月12日(水)にかけての第一期は傑作『夜のカフェテラス』を描くまでの流れを鑑賞することが出来ます。
今回の見どころ『夜のカフェテラス』
そもそも『夜のカフェテラス』ってなんだろう?
そう思った方もいるのではないでしょうか。
私も最初は「ゴッホと言えば、ひまわりや星月夜なんじゃないの?」と首を傾げました。
『夜のカフェテラス』はフランスのアルルに実在していたカフェテラスを描いた一枚です。
どうやら調べてみると、この作品は『星月夜』にも使われた表現で生まれた最初の作品だそうです。
夜空を描くのなら黒を使う、それが一般的だった時代にあえて黒を使わなかった。
鮮やかな青を使用し、カフェテラスの明るい黄色と対比させたことが画期的であったと評価されているそうです。
知らない時代の絵画たち
初めて見た、初期の作品
自分が知っている代表作と今回の展示のポスターから、ゴッホは鮮やかな色彩で大胆な表現をする画家なのだと思っていました。
耳を自ら切り落としたというエピソードを聞きかじったこともあり、写実的で繊細なものを描くイメージが持てなかったのもあります。
どんな物が見られるんだろう、と胸を躍らせて最初に目に入ってきた作品ははっきり言って地味でした。
鮮やか、明るいとは程遠い。写実的でいて筆跡には力を感じられ、素晴らしいものだと言われたら納得は出来ます。
それにしても、あまりに暗い。
初期は農民や風景を多く描いていた、と説明されていました。
連なる作品の数々からも、そのモチーフ達に熱意を持っていたことは痛いほどに伝わってきます。
しかしそこに期待していたような極彩色のインパクトはありませんでした。
灰色や茶色が多用された、薄暗くて静かな空間。そこで黙々と働く人達。そこには日が落ちきる直前のような、物寂しささえありました。
これらがゴッホの作品だと示されないまま、美術館の中に混ぜられて展示されていたら。
一瞬だけ見てスルーをする。そんな可能性すらあったかもしれません。
モネなどの印象派による影響
順路に従って進んでいくと、展示が急に色鮮やかで明るくなりました。
この大ゴッホ展では、ゴッホの作品だけでなく彼に影響を与えた巨匠の作品も紹介されています。
私は元々印象派の柔らかなタッチが好きで、過去にはモネ展などに足を運んでいます。
ここで紹介された作品たちには、遠くから見てもわかる馴染み深い華やかさのようなものがありました。
それまでの暗い色調からのギャップと、その後明らかに変化したゴッホの画風。
まだ胸に熱くなった感覚が残っている気がします。
あぁ、彼はきっとこの人達に強い影響を受けたんだろうなぁ。
過去の偉人達がどう生きたのか。
私達のような現代人にはもう知ることが出来ないことがたくさんあります。
何を考えていたのか、どう感じていたのか。
残された手がかりの中からひとつひとつ推測していくしかありません。
それらに思いを馳せるのもまた絵画の楽しみ方だと思います。
チケットの都合上、これらの紹介をゆっくり見ることは叶いませんでした。
それでも展示だからこそ可能な、とても不思議な体験が出来たような気がします。
パリ時代、アルル時代の迫力
展示の後半には『夜のカフェテラス』を正面から見るための列が形成されていました。
何度も曲がり圧縮された人の列は、さながら満員電車のようです。
普段なら諦めていたかもしれません。
それでも今回の目玉であると大々的に宣伝されていたのもあり、意を決して並ぶことにしました。
列を囲むようにして展示されたパリ時代の作品たちの、初期の頃とは打って変わった鮮やかな色彩に眩しさ。
そしてあとどれくらいなんだろうと覗き込んだ時に見えた『夜のカフェテラス』の黄色はまるで日の出のようで、深く印象に残っています。
いざ、『夜のカフェテラス』正面へ
この人の目は、いったいどれだけの色や鮮やかさを捉えることが出来たんだろう。
これを描かせたアルルという土地は、ゴッホにとってどれだけ眩しかったんだろう。
最初に感動と共に覚えたのはそんな疑問でした。
鮮やかな黄色で描かれたテラス席の明るさは、油絵具の凹凸に光が反射することによって常に変化しています。
「子どもと大人では見た印象がガラリと変わっていた」というSNSで見かけた一言が覚えていたので、私も絵画の正面で屈伸してみようと前から決めていました。
さすがに私以外にはそんなことをしている人はいないかな。
そう思っていましたが、噂を聞いていたのか、同じく絵の前で屈伸している人を待機中に見かけました。
やはり考える事は皆同じようです。
そこがきっと鑑賞の上で大切なことのひとつになると予想はしていました。でも、予想以上でした。
街並み、石畳、夜空、カフェテラス。
そこに使われた色合いの美しさを堪能しようと、私はしっかり身構えていたはずです。
よくよく目を凝らして隅々まで必死に味わおうとしましたし、感嘆の声だって上げました。
なのに、こうしてブログに書き起こすにあたって思い出せるのは眩しさばかりなのです。
記憶の中の黄色いカフェテラス、その明るい色使いが脳裏を塗りつぶしている。
それ以外がどうであったのか、あまりよく思い出せません。
絵の具単体で黄色を見てもたぶん同じ眩しさを味わうことは出来ないのではないでしょうか?
そこが軒下であり、夜空と対比しているからこそ。カフェ全体を照らす明かりを錯覚したんだと思います。
これだけの輝かしさがあるのであれば、列の途中から日の出のように見えたのも納得です。
生で見て、本当に良かった!
まとめ
美術館では特別展としてテーマを決めた展示が度々行われています。
普段絵に興味がない人でも、気になるような作風、なんとなく知っている作者がいるのではないでしょうか?
「この展示、気になるかも」それくらいの気持ちでも問題ありません。
皆さんも是非美術館に足を運んでみてください!
私自身、この展示を見ることでもっと色んなところに行ってみたくなりました。


