就労継続支援B型事業所かなうラボの記事を更新♪

「目の前の相手は、どんな顔をしている?」お芝居上達のコツ!

趣味・日記
この記事は約6分で読めます。

こんにちは!かつてお芝居の大学にも通っていたぐらい、お芝居が大好きな就労継続支援B型かなうラボ利用者のちゅぱかぶらです!
過去には自分からいろんなオーディションに出向き、数回ですが小劇場の舞台に立ったこともありました。

VTuberや配信者、声の活動をしている方は、例えば「シチュエーションボイス」などで演技力が求められる場合があるかもしれませんよね。声が良い!と褒められる方だとなおのことでしょう。

でも「恥ずかしい……」とか、「演技力に自信がない……」という方のために、私が今まで培ってきた、「芝居が上達する」コツを伝授いたしましょう!

お芝居のコツ①前提として、お芝居は「会話」である。

これはお芝居を始めたての方に多いのですが、自分のセリフを「ちゃんと言わなきゃ!」と必死になって、とにかく自分のセリフを正確に(あるいは格好つけて)言う傾向があります。

しかし忘れてはならないのは「芝居は会話である」ということ。

普段の生活で会話をするときの感覚を思い出してみてください。例えば、「ねぇ!」と相手に声をかけられたら、(何か用事があるのかな?)と相手に注意を向けませんか?顔を見るか見ないかはおいておいて、少なくとも「相手が次に言う言葉が何なのか」に注意を向けるでしょう。

お芝居は、これの繰り返しなんです。

役者は台本上ですべての流れは知っていても、ステージ上にいる登場人物は、上記のような「普段の会話」を行っているわけです。

故に、自分のセリフだけを集中して読んでいると、「相手が何を言っているのか」「何を言いたいか」を聞き取れないため会話が成り立たず、観ている側にはかなりの違和感が発生することになります。

お芝居のコツ②台本で見るべきは「相手のセリフ」

では上記のようにひとりよがりにならずに、「会話」にするためにはどういう行動をするべきか?
台本を渡された時、ざっと読んで自分のセリフを確認したら、前後の相手のセリフを確認することです。

一つ例を出しましょう。私が今即興で台本を書きます。

A:おはようございます、いい天気ですね。
B:おはよう。――って、なんだその恰好は!?
A:え?どうかしましたか?
B:これから大事な商談だっていうのに、全く君は礼儀を知らないな!

例えば自分がAを演じるとします。そしたらBのセリフを確認します。
Aが挨拶をしたら、Bは怒ります。さらにその後のセリフで「これから大事な商談に行く」とあり、さらには「君は礼儀を知らないな!」とまで書かれています。
Bのこのセリフから、自分が演じるべきAは、「大事な商談なのに、何か違和感のある格好をしてきた礼儀知らずな奴であり、それで上司のBを怒らせてしまった。」という情報が読み取れるわけです。

ちょっとミステリ小説を分析しているみたいで、楽しくなりませんか?(ミステリ好きの私だけかも……w)
会話劇ではこのようにして台本のすべてに目を通し、いわゆる役作りをしていく。これがいわゆる「台本読解」といって、役者の仕事の一つです。
演じるだけが役者の仕事じゃないってわけですね。

でもまだ相手がいるだけ、会話劇はまだやりやすいのですが……問題は「シチュエーションボイス」です。
求められる方が多いと思いますし、ハードルが低いと思われがちですが、ぶっちゃけ「相手が見えない分めちゃくちゃ難しい」です。

でも大丈夫です!上の応用のようなもので、台本を読んで「相手をちゃんと見る(想像)」することができれば、格段にレベルがアップすると思います。

また一例、私が即興でシチュエーションボイス台本を書きましょう。

「おはよう。……なに?あと5分?ダメだよ、今日もお仕事でしょ。朝ごはん作っておいたけど、食べたくないのかな~?……よーし、じゃあ早く着替えてね。キッチンで待ってるから!」

この短文だけでも、たくさんの情報量があることが、上を理解できた皆さんにはもうわかるでしょう。

①起こされても起きるのを渋っている。それも毎日のことではない。今日も仕事である。
②話し手の朝ごはんは食べたいらしい。
③話し手の朝ごはんを食べる気になり、着替える。


声はなくとも受け手はこういう行動をとっていることが予測できるわけです。

そしてさらに「シチュエーションボイス」の難しいところは……
②によって③を誘発させるような言い方をしなければいけないということ!
見えない相手に対して、「そういう気にさせる」というのははっきり言ってスーパー難しいです。

攻略法としては「受け手のセリフを想像して全部書き出してみる」のもありですね。
そうすると「会話」としての自然な間も生まれるので、よりリアリティのあるシチュエーションボイスができると思います!

……ちなみに、さらに上のレベルを目指すなら、「キッチンで待ってるから!」というセリフで(私と一緒に食べることを楽しみにしてるんだ)という気持ちも誘発させられるとかなりのシチュボマスターになれるのではないでしょうか。

お芝居のコツ③「相手の言葉を聞け!」キャッチボールを意識して

さて、台本読解をしてきて、いざ相手とお芝居を交わすとなった時、ここでも意識するべきは「相手が何を言っているかちゃんと聞くこと」です。余裕が出てきたら相手の表情、仕草、テンション、目つきまで見てください。見えなくても、想像するだけでも大きく変わります。

そりゃ当然台本があるので、お互い次に何が起こって何を言われるのかはわかっているのですが、舞台に立つ登場人物たちにとってはすべてが初めての出来事なのです。その意識を忘れないことが一番大事です。「舞台が生き物」と言われるのは、同じ芝居が起こることは二度とないからだと私は思っています。

再び先ほどの台本を例に使いましょう。

A:おはようございます、いい天気ですね。
B:おはよう。――って、なんだその恰好は!?
A:え?どうかしましたか?
B:これから大事な商談だっていうのに、全く君は礼儀を知らないな!

Aは、役者としてはこのあと怒られると知っていながらも、役としては普段通りに声をかけます。
Bは一旦普通にAの挨拶を受け止めるんですが、ちゃんとそこでAの姿を観てから「――って、なんだその恰好は!?と言わなければなりません。
そして怒られた理由がわからないのでAは「え?どうかしましたか?」と返し、Bに理由を説明される……というのを、相手を観ながらやります。
(セリフを言わなきゃ、進めなきゃ)とトントン進んでしまうと、お客さんの理解が追い付かない場合があります。
セリフはキャッチボールです。相手のセリフをしっかりキャッチしてから、それを受け止めて、相手に適切なパワーや速度で投げてあげましょう。

一人じゃ成り立たないのが「お芝居」の奥深さ

いかがだったでしょうか。ちょっと難しい話だったかもしれませんが、これらは私が役者をやってきた中で、学んできた技術の一部です。

結局お芝居って、日常会話の延長だったりするわけです。
だから実は「良く周囲を観察している人」とか、案外お芝居をやってみるとすごく上手だったりするんですよ。営業の方とか、得意そうだな~とか勝手に思ってます笑。他人の顔色窺って言葉を変えたりするの、上手そうだなって……(偏見)。台本はこれがセリフになっているだけなんです。

でも舞台でも、「一人」で物語が回ることはほとんどありません。
役者同士がお互いの解釈をぶつけ合って、それが一つの物語になる。
この瞬間は最高に楽しいですよ!

もし興味が湧いた方がいらっしゃったら、挑戦してみてはいかがでしょうか?
コロナ禍の影響を受けて現在は、配信などでお芝居をする方も増えています。
声で劇をする専用のアプリなどもありますよ!気になったらぜひ、チャレンジしてみてください!