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誰にも言えない小さな悩みは、スマホの「下書き」で眠っている

趣味・日記
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みなさまごきげんよう。
就労継続支援B型事業所かなうラボ利用者のmayoです。

突然ですが、スマホの「下書き」フォルダを最後に開いたのはいつですか。先日、ふとのぞいてみた私は、思わずスクロールする指を止めてしまいました。

1. 下書きフォルダは「送れなかった言葉」の墓場だった

メモアプリをさかのぼると、送信しなかったメッセージが何十件も眠っていました。

「最近ちょっとしんどくて」
「実は、あのときのこと気にしてて」
「私だけ置いていかれてる気がする」

SNSで誰かの華やかな投稿を目にしては、そんな焦りを下書きにぽつりと残していました。
どれも、書いた瞬間は本気でした。けれど送信ボタンの手前で指が止まり、「こんなことで相談したら重いかな」「みんなもっと大変なのに」と考え直して、そっと下書きに戻したものばかりです。

読み返して気づきました。どれも「事件」と呼べるほどの出来事ではありません。友達の返信がいつもより素っ気なく感じました。同世代と比べて、自分だけ足踏みしている気がしました。何もしないまま休日が終わって、罪悪感だけが残りました。人に話せば「そんなことで?」と返されそうな、小さな悩みばかりです。

それなのに、その小さな悩みは何か月も同じ場所に居座っていました。小さいからといって、軽いとは限りません。下書きフォルダが最初に教えてくれたのは、そのことでした。

2. 小さな悩みほど、人に言えなくなる理由

誰にも言えない悩みの多くは、実は「小さな悩み」だと思います。私なりに考えると、その理由は「大したことない」という自己判定にあります。

大きな悩みなら、相談する理由は自分にも相手にもはっきりしています。でも小さな悩みは、話す価値があるかどうかを、口に出す前に自分の中で審査してしまいます。しかもその審査はおそろしく厳しくて、ほとんどが「却下」されます。

さらに、SNSには他人の「ちゃんとした日常」が絶え間なく流れてきます。暗い部屋のベッドの中でタイムラインをスクロールしながら、いいねを押す指が少し重くなる夜。充実した投稿の隣に自分のもやもやを並べると、急にちっぽけで、わがままに思えてきます。悩んでいる姿を見せること自体が、なんだか恥ずかしくなります。SNSの画面を見つめながら、知らず知らずのうちに、そんな息苦しい空気を吸い込んでいたのかもしれません。

もうひとつは、相手への気遣いです。優しい人ほど「忙しそうだから」「反応に困らせてしまうかも」と考えてしまいます。相手を気遣うあまり言葉をのみ込み、気づけばひとりで抱え込んでいる。私の下書きフォルダに何十件もの言葉が眠っていたのも、まさにそれが理由でした。

3. 下書きを一件だけ、友人に見せてみた

「この小さな悩みは、きっと誰にも言えないままなんだろうな」。
そう思っていた私の口がふと動いたのは、学生時代からの友人とごはんを食べた帰り道。駅のホームで電車を待つ、些細な沈黙のなかでした。
「あのさ、ずっと下書きに眠ってる文章があって」

そう言って差し出したスマホの画面には、「最近、自分だけ何者にもなれてない気がする」という一文。送らなかった言葉のなかでも、いちばん長く眠っていた一件です。

友人はしばらく画面を見つめて、ぽつりと言いました。

「それ、私も去年ずっと思ってた」

続けて友人も、自分のスマホを開いて見せてくれました。いつも器用に生きているように見えた彼女の画面にあったのは、「返せないまま二か月たった人に、謝りたい」という不器用な一行。それを読んだ瞬間、私は張り詰めていた糸がふっと緩み、吹き出してしまいました。馬鹿にしたのではありません。ホームに並ぶ二人が、同じ種類の悩みを、同じ場所に隠していたのがおかしかったのです。

解決策は、ひとつも出ませんでした。それでも帰りの電車では、肩の力がすっと抜けていました。

4. 悩みは解決しなくても、置き場所があれば軽くなる

あの夜から、私の中で「悩みを打ち明ける=解決してもらう」という方程式が、少し変わりました。

以前の私は、相談とは解決してもらうためのものだと思い込んでいました。だから、解決しようのない小さな悩みには、相談する資格がないと決めつけていたのです。けれど、駅のホームで受け取ったのは答えではなく、「自分だけじゃなかった」という確かさでした。悩みの重さは変わっていないのに、ひとりで持っている感覚だけが消えていたのです。

それ以来、小さな悩みを抱え込まないよう、次の三つを心がけています。

  • 大げさに切り出さないこと:「ちょっと聞いてほしいだけなんだけど」の一言で十分で、深刻な顔はいりません。
  • 結論を求めないこと:「どうしたらいい?」ではなく「実はこう思ってる」と置くだけにすると、相手も構えずに聞いてくれます。
  • 全部を話そうとしないこと:一行でも、画面を見せるだけでも構いません。

今すぐ誰かに言えなくても、下書きに書くだけで、悩みは頭の中から外に出ます。形になった悩みは、少しだけ扱いやすくなります。私の下書きフォルダは、言えなかった言葉の墓場ではなく、いつか誰かと見せ合うための小さな預かり所だったのだと、今は思っています。

おしまいに

誰にも言えない小さな悩みは、あなたのまわりの誰かも、きっと同じように抱えています。隣の席のあの人も、画面の向こうのあの人も、スマホの奥にそれぞれの下書きを持っているのかもしれません。

「こんなこと言っていいのかな」と迷う夜は、まず一行だけ書いてみてください。送らなくても大丈夫です。そしていつか送れそうな日が来たら、ほんの少しの勇気で、その一行を誰かに見せてみてください。思っているより、あっさり受け止めてもらえるかもしれません。

今夜、久しぶりに下書きフォルダを開いてみませんか?
そこにあるのは、あなたが誰かを思いやった「優しい証拠」かもしれません。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。